【ウマ娘ネタバレ感想】「されば君、かなし」神ストーリーだった

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結ばれないとわかっている恋

チヨノオーはマルゼンに憧れ、アルダンをデートに誘う

デート:トレセン学園生徒主催のイベントで組むダンスパートナーのこと。

何もかも『普通』だというサクラチヨノオーは、圧倒的に『特別』なマルゼンスキーに憧れた。

そのマルゼンが手に入れた冠の1つが、シンボリルドルフと組んだダンスイベントの「ベストデート賞」。

自分もその冠がほしい。その相手に選んだのは同期でライバルと言えるメジロアルダン。

チヨノオーはマルゼンへ憧れ、アルダンをデートに誘った。

『雪』のアルダン、『桜』のチヨノオー

アルダンは『雪』の燕尾服えんびふくをまとい、チヨノオーには「桜」のドレスを用意する。

チヨノオーのドレスには雪が装飾されていて、アルダンの燕尾服は桜が。

すれ違うふたり

チヨノオーはただひとり『普通』なウマ娘?

チヨノオーは『普通な自分ではベストデートになれない』と悩む。

デートのアルダンも『特別』なウマ娘。ライバルデートのメジロマックイーン&トウカイテイオーも『特別』で、生まれもった華やかさも実力も、何もかも違う。

チヨノオーは『特別』を借りるため、ベストデート賞をとったマルゼンのダンスをコピーする。

必死になるあまり、チヨノオーはダンス練習中にアルダンと目が合わなくなり、とうぜんアルダンとダンスも合わなくなっていった。

さらにチヨノオーは『アルダンの特別に追いつくため、もっと頑張らないと』と空回りする。アルダンは歯がゆく思いながらも指摘せずにいた。

コピーでは勝てないことを教えるテイオー

マルゼンとベストデート賞をとったのはシンボリルドルフ。今回強敵になるのはルドルフにあこがれるトウカイテイオーだった。

チヨノオーと似た立場のテイオーだったが、テイオーはルドルフのマネはせず独自のダンスをする。

「憧れているのになぜ違うダンスをするのか」チヨノオーは疑問に思う。

テイオーの答えはシンプル『マネでは勝てない。引き分けがせいぜい。』

『チヨノオーは、もしマルゼンが同じイベントに参加しても勝ちたいんじゃないの?』

確かにその通りだった。しかし『普通』の自分が『特別』なテイオーたちと渡り合うにはマルゼンの『特別』を借りなければという気持ちは残る。

チヨノオーの道を修正するライバル、マックイーン

ライバルデートであり、アルダンと同じメジロ家のマックイーンはチヨノオーを呼び出す。

『『特別』なアルダンは、チヨノオー相手だからデートになった。

 そしてチヨノオーとなら自分たちマックイーン&テイオーのペアに勝てると思っている。』という客観的事実を告げる。

『それでもご自分が『普通』だと思いたいのであれば、ご自由に。』

その言葉は突き放すものでなく、チヨノオーの空回りをおさめつつ決めるのは本人という尊重の言葉だった。

アルダンのもとへ駆け出すチヨノオー。

マックイーンは『どれだけ届かなくてもあきらめず、改善と努力を重ねるチヨノオーのどこが『普通』なのか。それ自体が才能だというのに。』と、(こっそり見ていた)テイオーへ話す。

本心をさらけだすふたり

チヨノオーの告白

チヨノオーは自分が空回りし、アルダンを見られていなかったことを謝罪する。『自分は特別ではないから』という苦悩も告白した。

脚が弱くダンス練習を長時間できないアルダンに口頭で指導をうけつつ、夜だというのに『コピーではないダンス練習』を始めた。

アルダンの告白

その後、同室のふたりはそれぞれのベッドに入る。

アルダンの『起きていますか?』の問いにチヨノオーは『寝て……います。』と答えた。アルダンは『ひとりごと』をつぶやく。

アルダンは『雪』で、チヨノオーは『桜』

アルダンは『雪』で、チヨノオーは『桜』。冬から春へと変わるわずかな時間だけ、ふたりは一緒にいられる。

『本番は私だけを見てほしい』

それがアルダンの本心だった。

イベント開始

「お互いが生涯における、1番の相手ではなかったとしても」

ずっとチヨノオーたちを気にかけていたのは、イベント委員をつとめるナイスネイチャ。

ふたりが無事にイベントへ挑めることがわかり、アルダンに声をかける。

アルダンはここでもチヨノオーへの想いを口にした。

「お互いがお互いの生涯における、1番の相手ではなかったとしても、私たちは特別な夜に、特別なパートナーになれた。」

今までとこれからのチヨノオーが見るのはマルゼンスキー

チヨノオーのあこがれで真に勝ちたい『ライバル』はマルゼンスキーであり、アルダンではない。アルダンは最初からそれを知っている。

『雪』のアルダンは『桜』が咲く時、わずかに共にあるが咲き誇るときにはもういない。それでも雪は、自分にない鮮やかさをもつ桜に焦がれるのだ。

消えていく自分。桜が見るのは別のウマ娘。

だが雪が溶ける前、桜が咲き始めた今だけは。この夜だけは唯一のデートだ。

これは史実ネタであり、メジロアルダンの引退レース『東京優駿(日本ダービー)』はサクラチヨノオーの勝利で終わる。
アルダンは引退だが、チヨノオーはまだこれからがあった。
さらに『東京優駿』はマルゼンスキーが取れなかったタイトルである。

触発されたナイスネイチャ

ネイチャはテイオーと踊りたい

テイオーと同期のナイスネイチャはいつもテイオーに届かない。

テイオーからライバルとして見てほしいが住む世界が違う。だからこそ踏ん切りをつけるためデートに誘わず委員側にまわったのだ。

しかし『生涯における1番の相手ではなかったとしても』と語るアルダンと話した。そしてアルダンたちはテイオーたちと渡り合う見事なダンスを見せた。

動画:ゲーム【ウマ娘 プリティーダービー】ストーリーイベント「されば君、かなし」ダンスシーン ショートVer. – YouTube

自分もテイオーと踊りたい気持ちに従う。

しかしテイオーはすでに着替えおわっていて、ネイチャの精一杯の気持ちは踏みとどまってしまう。

それでも「来年は私と踊って欲しい」。ネイチャはそう告白する。

イケメン、トウカイテイオー

「もうテイオーは着替えてしまったから」「ドレスがないから」と言い訳してしまうネイチャの心などかまわない。

テイオーは「今から踊ろう」とネイチャを連れて会場へ戻る。

ダンス練習などしていなかったというネイチャに、テイオーは「ボクの予感だけどキミは、ボクになら完璧に合わせられるでしょ?」と言い放つ。

来年も。

ストーリー終了後のイベントTOPページ。

ネイチャ「ははっ…ライトの下暑すぎ。次回はもっと冷房を……涼しいドレスを用意しておこっかな…。

冷房操作でなくドレスを用意する。つまり次回は委員でなく、参加側として出たいと考えているのだ。

もちろんデートに誘う相手はテイオーだろう。

感想:これは名作恋愛映画だ

雪は桜に恋い焦がれる

百合(女性同士の恋愛)という意味ではないのだけど、チヨノオーへのアルダンの気持ちは「恋い焦がれる」としか言いようがない。

ライバル、百合、友人。どれも単体ではしっくりこない。全部、といったほうがイメージに近い。

最初から生涯のパートナーにならないとわかっている。それでもふたりは惹かれ、かけがえのない時間を過ごす。

まるで名作映画「ローマの休日」だ。

【ローマの休日】

 お忍びで街へ抜け出した王女が男性記者と出会う。

 ふたりは楽しい時間を過ごすが、立場上、王女が一般人の記者と結ばれるわけがない。 

少女から王女の立場にもどった彼女は、記者も来ている会見で「どこがもっとも印象に残っているか」という質問に「ローマ」と答える。

 この時間はふたりしか知らず、その気持ちはお互い自分しか知らない。

ライバルはウマ娘が強くなるため必須の存在。

しかし結婚と同様に、生涯におけるその相手はたったひとり。

アルダンとチヨノオーはたしかにライバルだったが、アルダンが引退するまでとチヨノオーが走り始めたばかりの一瞬しか交わりはない。

チヨノオーのライバルは、勝ちたい相手はマルゼンスキーだ。アルダンではない。

だけどたしかに、ふたりは惹かれ合った。『特別』な存在だったのだ。

毎年やれ

実際に毎年やってるダンスのストーリーイベント。今回は特に私に刺さった。泣いた。

来年は誰だろう。楽しみだ。

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