【ワンダル・ワンダリング! / 迎夏生】とは【作品紹介 / ネタバレ】

布教
ワンダル・ワンダリング!
©️MediaWorks, Inc. 2025/01/01 https://x.gd/1rXZJ より引用
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「ワンダル・ワンダリング!」とは

「ワンダル・ワンダリング!」とは「月刊電撃コミックガオ!」にて1993年7月から1995年まで連載された漫画作品である。全4巻、外伝1巻。作者は迎夏生。


ワンダル・ワンダリング!外伝 (電撃コミックス)

作品属性

ちょっと特殊なTS(性別変換) ラブコメ

概要

主人公のタロサクが暮らすのは山に囲まれた平和な国「ワノクニ」の中にある街「チョボリ」。ここに暮らすのはとがった耳の者たちであり、ある日突然現れた耳が丸い子供、ワンダルが現れたことで大騒ぎな毎日が始まる。

というのも、耳が丸い人間は「自分たち以外の種族を皆殺しにするマルミミ族」と言われており、恐怖の象徴だったのである。しかしワンダルは素直で明るい普通のこどもであり、タロサクを保護者として受け入れられることになる。

しかしワンダルには特別な性質があり……?

ストーリー

出会いと街での暮らし

タロサクは貧乏絵描きをしており、絵の具を買うために家賃を払うのも苦労する生活だった。そんなある日、帰宅すると食料を食い荒らす子供、ワンダルがいて捕まえようと騒ぎになる。

騒動を聞きつけた街の人が子供を見て「耳が丸い!残虐な種族であるマルミミ族だ!」と大騒ぎになった。しかしタロサクを保護者としてしばらく生活してみると勝ち気なところはあるが普通の子供であり(ケンカはするがむしろ良い子の範疇)、順調に街へ受け入れられていく。

一方でタロサクはワンダルが普段の5程度の外見から10代なかばの少年姿になり喧嘩腰になる不思議な能力を見ているため、最初はかなり懐疑的であった。

タロサクが衛生面や着替えに無頓着であったため、ワンダルが通うことになった小学校の女教師ミロフィが見かねてワンダルをお風呂に入れようとする。そこでワンダルが女の子であったことが発覚。ミロフィはかわいい女の子らしい着替えを用意するが、ワンダルは「女じゃない」とこれを拒否する。

タロサクはワンダルが男性になる姿を目撃しているため、ミロフィとの食い違いがおきた。

しばらく平和に過ごしたのち、イベントが開かれる。そのイベントでは「好きな人に花を贈る」という習慣があり、みなそれぞれに想い人へ贈る花を探すなどしていた。ワンダルもお世話になっているタロサクへ花を探す。

苦労して花を見つけたワンダルは10代なかばの美しい少女の姿になり、その姿のままタロサクへ「好き」と告げて花を贈る。タロサクはそれがワンダルだと気づかないまま、名前も知らない不思議な少女に恋をした。

その後、タロサクたちも美少女がワンダル自身であると知ることになる。

ワンダルの素性

ある日、ワンダルを探してジングルとフロンという男性が訪れる。二人はワンダルと同じ丸い耳をしており、しかしジングルとワンダルは「ニジノモト族である」と語った。ニジノモト族は絶滅危惧種であり、フロンたちマルミミ族の過保護な政策が災いして成体の女性が一人もいなくなっている。

ニジノモト族は10才頃まで中性であり、第二次性徴期に急成長を遂げて性別が確定し成体になる。また、成体になる前には感情の高ぶりに応じて一時的に成体になる。(感情の高ぶりによる一時的な成長は寿命を縮める恐れがある。)

ジングルの見た目はすでに男性体となっているが、実際の年齢はワンダルとほとんど変わらない。

これがワンダルが男性体・女性体になった理由であり、ワンダルは気持ちが高ぶった際に過去に母を失い強くなりたいという願いや戦うために男性体になることがあり、また、タロサクへの親愛から異性愛者タロサクの異性である女性になっていたのである。

ワンダルはジングルの許婚であり、女性が全滅したニジノモト族の生き残りとして女性体となり結婚しなければならない。この結婚にタロサクは抵抗するも、それは自分のワガママだと気持ちを押さえつけて身を引こうとするタロサク。

しかしワンダルのために全力を尽くそうとするタロサクの姿と、タロサクを心から慕うワンダルを見たジングルとフロンは考えを改め、ジングルとフロン自身がタロサクの背中を押してワンダルを迎えに行った。

こうしてワンダルとタロサクは自分の気持ちを確信し、改めて二人暮らしを継続する。これからは恋人同士として。

その後

中身が10才程度のワンダルの無邪気な振る舞い(目の前で着替えるなど)に、タロサクは間違いをおかしてしまいそうだという理由で別居を提案するが、ワンダルにはそれが理解できずにケンカとなる一幕があった。

それからしばらくやり取りして(どこまで理解しているかは疑問が残るものの)ワンダルはタロサクが思うほど子供ではなかった。

「タロサクになら手を出されてもかまわない」かのような言動をしたあと眠りについてしまい、タロサクはなおさら心をかき乱される感覚はあったものの改めて誠実に向き合う覚悟を決めて二人暮らしを再開できるようになる。

外伝ではタロサクとの間に子供が産まれた。

キャラクター

ワンダル

ある日突然チョボリに現れタロサクに部屋に忍び込んだ耳が丸い子供。初めて食べたあんパンが以後の大好物になり、タロサクの家で同居することになる。

凶暴なマルミミ族と見た目が変わらないため恐れられたが、絶滅危惧種のニジノモト族であり別種。感情が高ぶると、その感情によって男性体・女性体になる。男性体の時は怪力だが、この感情による一時的な急成長は体に負担がかかり、寿命を縮めかねない。

母を亡くし、無力な自分を嘆き力のある男性になるつもりであったが、タロサクへの感情から女性体になり、結婚して子供も設けた。

タロサク

画家を夢みて、家賃もギリギリの中で絵の具を買うなど努力する少年。最初は面倒事を押し付けられたと感じていたワンダルとの同居だが、しだいに同居人として確かな親愛を育んでいく。

ワンダルが攻撃的な意思で男性体になったところを見たため、子供状態だと女の子に近いワンダルのことを男だと思い込んでいた。

春祭りの時に告白(?)してきた少女が女性体となったワンダルとは気づかず惹かれていく。ワンダルやニジノモト族について考えすぎるあまりに別れも考えたが、ワンダルと自分の気持ちを正しく認識して結ばれることとなる。

ミロフィ

小学校の女教師。当時はワンダルの衛生面や着替えに気が回らなかったワンダルの入浴や着替えのほか、その後も二人を気にかけている。また、ワンダルは作中で彼女の小学校へ通うこととなった。

ワンダルにいじわるをするムシカに大人しくやられないワンダルがケンカをした際には平和的な勝負を提案するなど、柔軟かつ優秀で優しい。ワンダルを本気で愛するまで、タロサクの恋愛感情を含むあこがれの人であった。

後にマルミミ族のフロンに告白され、さらに3年以上あとに改めて春祭りの花を贈られる(=プロポーズ)。

ジングル

見た目は15才ほどだが実年齢は10~12才程度でワンダルと大差のないニジノモト族の男性体。

女性体が全滅したニジノモト族を存続させるためにマルミミ族が決めたワンダルの許婚。言われるがままに許婚であることに疑問を持っていなかったが、ワンダルへの好意は多少ある。

しかしタロサク達を見て、マルミミ族の言いなりになるだけでなく自分たちで道を選択できることを学び、ワンダルから身を引き迷うタロサクの背中を押した。

フロン

マルミミ族の保護官で、ジングルをワンダルの元へ連れてきた。

初めはマルミミ族の象徴的な存在ですべてに上から目線の上位者振る舞いであったが、ニジノモト族ももともとマルミミ族だった事を知り、差別心を改めていく。

完全に考えを改める前からミロフィに惹かれており、態度を軟化させた背景には彼女の存在も大きい。

ムシカ

ワンダルが通うことになった小学校の男の子。少し乱暴でありワンダルにちょっかいかけるが、ワンダルのほうが強いため倍返しされている。ミロフィに憧れているほか、少しだけワンダルに惹かれている面も見せた。

ビリンバ

ワンダルが通うことになった小学校の女の子。念動力が使いバスケットに乗って飛ぶことができる。

ワンダルを男子だと思い好意を寄せていたため、ワンダルの女性化で驚愕していた。その後、ワンダルを諦めてムシカへ好意を移した。

フーリュータ(フータ)

ワンダルが大好きなあんパンを販売しているパン屋。そもそもこの世界でのあんパンの開発者でもある。

オンマル

タロサクの親友で、世界をふらふらと旅する音楽家。

ひょうひょうとしていてお気楽に見えるが、過去に踊り子の母とともに他者からの危害で命の危機にひんしており、母のお陰で単身逃げ出すことができた。

口には出さないが母の死を受け入れたうえで明るく生きるワンダルを尊敬しており、内心で「俺は未だに怖くて母が生きているか死んでいるかすら確かめられないのにな」とワンダルをまぶしく感じていた。

アズキ

タロサクの姉でオンマルの恋人。芯の強い女性。

ポリス

名前の通り警察でミロフィの兄。警察だからポリスと呼ばれているだけで本名不明なだけかもしれない。

真面目であり、タロサクが女性体のワンダルとの二人暮らしに危機感を持っているのを聞き「そういう目で見てるのか!?」と(軽いギャグ的なコマではあるが)タロサクを責めた。

チュロス

タロサクとワンダルが住んでいるところの大家さん。困窮しているタロサクから家賃の取り立ては行うが、ちゃんと現実を見てしっかりしろという発破でもある。良い人であり、タロサクとワンダルの生活に協力している。

キャンディア・ミャンデル姉妹

ハンター。ワンダルをマルミミ族だと思い誘拐して研究しようとした。

オーエン

青い大岩の精霊。過去にはマルミミ族だった。

その他設定

ニジノモト族

10才頃まで中性であり(外見は女の子)、第二次性徴期に男性体か女性体に固定される。この時、実年齢は10才前後のままだが外見年齢は一気に15才程度まで成長する(本編ではこのせいで、身体だけ大人になったワンダルにタロサクが大いに惑わされることになる)。

子供の頃でも感情が高ぶると一時的に成体になる。怒りによって戦うために男性体になったり、大人の男性に恋愛的な好意を抱くと女性体になる。これがトリガーとして成体に固定されることもある。

男性体では怪力を持ち、また種族的に水中行動に優れる。

かつてはマルミミ族に迫害されて個体数を減らし、後に保護されるよう方向転換されるも怪力を恐れたマルミミ族が過保護に囲い、抵抗心を奪った。その上で保護区から比較的平和な環境に住まいを移させる試験をするも、襲ってきた獣に抵抗せず多数が命を落とし、さらに疫病で女性体が全滅する。

個体数を増やすためにワンダルを女性体にしてジングルと結婚させられる予定だったが、最終的にマルミミ族の保護官であるフロンが説得されワンダルたちの意向が尊重された。

これにより、純粋なマルミミ族はゼロになるかもしれない(タロサクとの子供はハーフであり、ワンダル以外で未成体のニジノモト族がいた可能性も限定的である)。とはいえ、後述するがすべての人類の祖先はマルミミ族であり、そこに明確な区別や特別な保護が必要かは判断が難しい。

マルミミ族

現実で言う人間。

高度文明を持ち、残虐で他種族を見下している。他種族を迫害してきたのはこの世界での史実であり、タロサクたちが「マルミミ族は悪魔」だと思っていたのは間違いと言えない。

政策の変更があって現在では絶滅危惧種の保護を行っているが、そもそも絶滅危惧種にしたのは自分たちであり自分たちの管理下で保護しようという上から目線の根本はまだ変わっていない。

他種族をまったく異なる存在として見下してきた歴史があるが、そもそも人類種族はすべてマルミミ族を祖先にしていることが発覚。過去の大災害で安全圏に逃げたマルミミ族と、逃げられなかったが生き延びた進化人類がその他人類である。

迎夏生

代表作

フォーチュン・クエスト 世にも幸せな冒険者たち(挿絵・コミカライズ)


新装版フォーチュン・クエスト(1) 世にも幸せな冒険者たち (電撃文庫)

運が悪いようでけっこう良い低レベル冒険者たちの物語!

冒険者試験ではくじ引きでジョブが決まったり、レベルアップが自動判定される冒険者カードがあったり、魔物図鑑があったり、主人公たちは大冒険してる割にレベルが低かったり(実際に強いキャラはいるがチート系には程遠い)、エルフやドラゴンの赤ちゃんが仲間になったり……

※リンクはライトノベル板。口語体でめっちゃ読みやすい。

+ANIMA(完全オリジナル)


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人でありながら動物の能力を持つ+ANIMAたちの物語。

+アニマになる条件は「子供である」「死に近い体験をする」「近くに危機を脱する能力を持つ動物がいる」こと。※溺れている時に魚が近くにいるなど

なぜか「生まれながらカラスの+アニマであるクーロ」は奴隷化も当たり前な+アニマへの差別がはびこる世界であまり隠さず明るく旅をしており、さまざまな出来事にも折れることなく笑顔を貫いていく。

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