世界で一番、特別なあなたへ
見栄を張っちゃうドロッセル
おなかがすいたドロッセルが食事場に行くと、リリィ、シルフ、アンチラが仲良く話していた。ちなみに、彼女たちの年齢は下画像。

※シルフの年齢は不詳だが、昔から国に祀られていた存在であることや、覇空戦争時代につくられ放棄された星晶獣は基本的に100歳を超えている
ドロッセルは彼女たちと仲良くなりたいと思いつつも見栄をはってしまい、おなかは空いてないだとか、シルフが知りたがっている「愛」について知っているなどと言ってしまう。
実際に、ドロッセルは両親と大祖母様から溺愛されて育った。過去にも同年代の子に見栄を張り、「勉強がある」と仲良くなるチャンスをふいにしていたのだ。
ファッションデザイナーのコルワは、そんなドロッセルの内心を悟りながら、ドロッセルをレディとして扱いつつ気にかける。

コルワは「ハッピーエンドでなくてはいけない」と、人の幸せを願うエルーン。

ネリネとの出会い
ドロッセルが森を散策していると、おそろしい化け物に襲われた。
そこへ不思議な少女があらわれ、化け物に「あっかんべー」をすると、化け物は消えてしまう。

少女の名はネリネ。物語をつくるのが好き…なのだが、字の読み書きができない。ネリネは強引にドロッセルに読み書きを教えてもらう約束をし、ドロッセルもとまどいながらネリネと仲良くなっていく。
ネリネと一緒に過ごしている男性とも知り合う。彼の名はモリモリ。ネリネとモリモリの「モリッと○○」という口癖は、モリモリの影響だろう。モリモリはネリネ全肯定おじさん。

知らない子だからこそ、ネリネの前ではすこし素直になれるドロッセル。
騎空団に所属したのは「小鳥のオムレットが行方不明になったから」だが、オムレットがいつも頭の上にいたことには気づいていた。

※フェイトエピソードではガチで気づいてないネタキャラかのように描かれていたので、衝撃の事実である。
両親との連絡も怖くて、何もかも見て見ぬふりを続けているのだ。
ドロッセルのコンプレックス
ドロッセルは特別な存在になりたいし、すでにある程度特別なつもりでいた。しかし、騎空団には物語の主人公や神話の登場人物のような者がごろごろいたのだ。

リリィは種族間の戦争を終わらせ、なかよしにさせたクリスタリア族のお姫様。シルフは国に崇め奉られていた神的な星晶獣。アンチラはその歳の厄や煩悩を祓う特別な巫女たる十二神将。

ドロッセルは「お金持ちの家に生まれた少女」でしかない。
明らかに「特別」な存在であるリリィやアンチラは差別心ゼロな子たち。しかしアンチラは「特別とか普通とか考えたこと無い」という。
これは、特別でなければいけないと思いこんでいるのに4人の中で唯一普通なドロッセルにはコンプレックスを刺激される事実だった。

見えないネリネ
ドロッセルはネリネと親しくする中でアンチラたちに謝ることを決意し、ネリネのことを紹介すると約束した。
コルワにも背中をおされて仲良くなりたい本心を告げたドロッセルを、アンチラたちは当然のように許しみんなでネリネの元へ向かった。
ネリネはおいしいスープをつくって4人を待ってくれていた。
ドロッセルがアンチラたちにネリネを紹介すると、リリィたちは困惑する。

「ドロッセルちゃん、さっきから誰と喋ってるの?」
ネリネの姿は、ドロッセルとモリモリ以外には見えていなかった。
恐ろしい化け物
主人公たちがこの島にやってきたのは、「森からあふれ出る化け物退治」依頼をこなすためだった。

化け物について調べるうち、町の秘密がわかっていく。
町の秘密
大昔に、町の危機をおさめるため一人の少女がみずから生贄を志願し、彼女の犠牲で町は救われた。
彼女の霊は自分の犠牲で町が救われたことをよろこび、きっと町長だった自分の父も感謝されているだろうと思った。
しかし人々は少女を生贄にした罪悪感から町長を悪人扱いし、のちの町長の死も恨みで悪霊になった娘の呪いだとウワサした。
これを聞いた少女は悲しみと怒りのあまり本物の悪霊となり、町は呪われた。そうして、現代にいたるまで鎮め人として生贄を出し続けなければ町が滅ぶことに怯え、鎮め人を出す罪悪感を見てみぬふりし続けていた。
ネリネとモリモリの正体
ネリネはかつて生贄となり、町を呪った悪霊エルブスの半身。モリモリもまた、鎮め人として幼いころに森へ来た犠牲者だった。

モリモリがネリネに全肯定なのも、ネリネが傷ついたり不機嫌になるようなことがあればさらに化け物があふれ、暴れだすからだ。
ネリネとモリモリという存在
ネリネは「深い孤独と辛さを味わう者でなければ見えない」性質を持つ。鎮め人であるモリモリ自身もそうだ。
ドロッセルは孤独だった。そして、人々から愛されるリリィ、シルフ、アンチラは孤独からもっとも遠い存在と言えるだろう。
ドロッセルにはネリネが見えて、リリィたちには見えなかった理由である。
しかしドロッセルがリリィたちと仲良くなったことで、ドロッセルもネリネが見えなくなってしまう。そればかりかドロッセルもだんだんとネリネの存在を忘れてしまう。ネリネが書いた文字も消えていく。
ドロッセルは自分の腕を傷つける形でネリネの名前を書いたりもした。それでもだんだんと忘れていってしまう。
デート
ドロッセルはかんぜんに忘れてしまう前に、ネリネの本体ともいえる悪霊エルブスを説得する。

ドロッセルは「戦闘は苦手だが交渉に秀でる」というハーヴィン族の性質にあてはまるようで、交渉に成功してネリネと街デートにこぎつけた。
コルワはふたりのため、衣装をしたてる。

※互いの髪色を取り入れた神デザイン!
事前に調べておいたケーキ店が臨時休業しているなど、うまくいかないことはあるもののふたりは夜まで最高のデートを楽しんだ。
しかし別れの時はやってくる。どれだけ抗おうと、ドロッセルからネリネの記憶は消える運命にある。
笑顔で別れたかったふたりは涙をながしながらお別れをすませた。

エンディング
ドロッセルたちはネリネのことを忘れ、日常に戻っていた。
エンディングキャンセル
……と、思いきやエンディングの続きが始まる。

1イベント内でエンディング後にメインのストーリーが続くのは、何年もグラブルをプレイしてきて初である。「こんな悲しい終わり?」と驚愕していたが、さすがのグラブル。
呪いに終止符を
ドロッセルはコルワのドレスを着たことで、ネリネたちの記憶を取り戻す。
そうしてふたたび悪霊エルブスとモリモリのもとへ訪れた。ネリネは深く眠っており、まもなくネリネは今までの記憶をなくし、また新たな鎮め人を迎えるだろうという。
ドロッセルは主人公らと共に町長に協力をあおぎ、自らが町民の前でこの呪いを終わらせようと語りかけた。罪悪感で見てみぬふりするのでなく、みずからの犠牲で助けてくれたエルブスに感謝の祈りを捧げるだけでいいと主張する。
モリモリと町長
鎮め人はメルブスを見るため、幼少から孤独を味わわされる。しかしひとり監禁されていた幼少モリモリの元へ通ってくれた少年が居た。
彼は両親にその行為がバレ、「鎮め人が孤独から逃れたことで町が滅んだらどうするんだ」と咎められて会いに来られなくなる。
それでも彼はモリモリに「えらくなってこの風習を終わらせ、迎えに行くから生きて待っていて」と告げた。
町長はモリモリを見て、彼のことを思い出す。

ネリネと同じく「忘れられる」存在のモリモリだったが、町長は忘れながらも「えらくなって」という約束だけは果たし、それはこの場で町民に発言できる現在につながったのだ。
ハッピーエンド大団円
町民たちの意識も変わって悪習は絶たれ、ネリネとエルブスは同化し、忘れられない存在になった。
ネリネはいつかいっしょに空の旅へ行こうとはいうものの、しばらくはモリモリと森で暮らすという。
いまこの日をネリネの誕生日と決め、エルブスも楽しみにしているふわふわケーキを食べに行くなどした。

めでたしめでたし
その後、ネリネは教わった字でドロッセルに手紙を送っていた。いわく、エルブスはケーキ作りにハマっているらしい。
モリモリは「ネリネが可愛すぎてつらい、ネリネの可愛いところベスト10」なる怪文書を送り、ドロッセルを困惑させた。
そして、両親と大叔母様の手紙。
ドロッセルはずっとずっと放置していたそれに向き合い、謝罪と、ひさしぶりに帰郷することを手紙にしたためたのだった。
めでたしめでたし。

文字ダイジェスト
ドロッセルは特別な自分でなければいけないと思っていた。しかし「特別」があふれる騎空団の中で苦悩する。
探している小鳥のオムレットが頭上にいるのは気づいているし、両親からの手紙も開けられない。苦悩のドロッセルは不思議な少女ネリネと、彼女と暮らす男性モリモリと出会う。
ネリネとの出会いをきっかけにドロッセルはリリィたちと親しくなり、リリィたちにネリネを紹介すべく森へ連れて行く。しかし、ネリネの姿はドロッセルにしか見えなかった。
ネリネは町を呪う悪霊エルブスの半身であり、深い孤独と苦悩を抱えるものにしか見えない。そして、孤独でない者はネリネをすぐに忘れてしまう。
ネリネをきっかけにリリィたちと仲良くなり孤独から解放されたドロッセルもネリネを忘れかけてしまう。
ドロッセルとネリネはコルワが作ってくれたドレスをまとい、最初で最後のデートをする。残念ながら約束していたケーキは店が臨時休業で食べられなかったが、かけがえのない時を過ごしたのだ。
やがて、ドロッセルもネリネのことを忘れてしまい、物語はおしまい。
……
……と思いきや、ドロッセルはネリネとの記憶を繋ぎ止める。
小鳥を見て見ぬふりしなくなったのはなぜ?その違和感とデートで着たドレスをきっかけに、ドロッセルはネリネのことを完全に思い出したのだ。
ドロッセルは町の悪しき慣習そのものを壊して「特別」な友人を救うべく、町の住人たちを説得する。鎮め人(生贄)を差し出す罪悪感から目を背けず、かつて生贄となり町を救ったエルブスに感謝することでこの悪習を断ち切れると伝える。
ネリネと暮らしていたモリモリは鎮め人だった。駆けつけた彼を見て、彼を救うと約束していた町長も消えていた記憶を取り戻す。
町民たちは動揺しながらも、生贄など出したくない良心に従いその悪習を断ち切る決意を固めるのだった。
かくしてネリネとエルブスは一体化し、人々から忘れられるような存在ではなくなった。「いつかはいっしょに空の旅へ」と約束するものの、しばらくは森でモリモリと暮らすという。
別れる前にドロッセルとネリネとエルブスは、その日がネリネの誕生日と決めて約束のケーキを食べた。
後日ドロッセルの元へ届いた手紙には、エルブスがケーキ作りにハマったことと、モリモリがネリネの可愛さに悶えていることが書かれていた。
ドロッセルは今まで向き合えなかった家族へ、近々帰省すると手紙を書くのだった。
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