初めに
杞憂民心理を知りたい方がいるかはわかりませんが、前々から整理したかったのでまとめます。自覚ある杞憂民が、杞憂民ムーブを自重するための考え方も少し。
全杞憂民がそうだとは断言しかねますが、私自身が杞憂民であるためだいたい共通すると思います。
VTuber(バーチャルYouTuber)の配信で見かける言葉なので、VTuberファン杞憂民という前提でまとめています。
杞憂民
杞憂民とは?
杞憂(きゆう)
しなくてもいい心配をすること。取り越し苦労。
杞憂民(きゆうみん)
主に推しに対してしなくてもいい心配をするファン。特に、それをコメント、ツイートする人。
→類:杞憂おじさん^^;
杞憂民は有害なのか
受け取る側によって異なりますが、だいたい次のパターンだと思います。
- ウケる🤣
- 気にならない
- 気持ち悪い
- 失礼、見くびられている
- 心配してくれて嬉しい
知名度が高い人はたいていアンチがいますが、それでもタフに見える人がいます。しかし「アンチはスルーできるけどファンの言葉が刺さる」というのは割とあるようです。
杞憂民はファンの一種なので、例えばいつもなら気にしない杞憂民の「(心配だから)早く休んで欲しい」が、むしろメンタルが弱り踏ん張っていた推しの気持ちを踏みにじる追い討ちダメージやストレスになる可能性は考えられます。
(この可能性についても杞憂ですね^^;;)
杞憂民の思考例
「3人グループのAさん、Bさんのことを好きって書いたけど、Cさんの事も書かないと傷つけちゃうかな」
「そこのアイテムやこのスキル取らないとあとで苦戦しちゃうよ、教えてあげないと」
「プロレス?本当は傷ついてるんじゃ……」
「配信を見るのは楽しいけど、それより休んで!」
「具合悪いなら今日は配信終わっていいよ」
(補足:休んでも自分がファンでありつづける気持ちは本当。でもそれで離れるファンがいたり収入が減ったりしても責任は取れない。)
なんでそんな思考パターンがついているのか
いくつかの候補。
保護者の過干渉。
自分の問題に踏み入られることが保護者から受ける愛情の形だった。だから好きな推しの問題を解決してあげたいと踏み入ろうとする。
子供。
自分の知識や発想が素敵なものだと思っていて、言いたくなる、教えてあげたくなる。
「そこにアイテムあるよ!」「つかれたら休んだほうがいいんだよ!」と教えて、すごいとかやさしいとか思われたい。
フィクションキャラクターの影響。
自分の命を軽視(≠犠牲に)して他人を救おうとするようなヒーローに憧れている。自分の問題に向き合わず、好きな人(推し)の問題を解決してあげようとする。
杞憂を「やさしい」と評価されたり喜ばれたりした経験がある。
人の課題を自分が解決することが優しさだと思っている。
現実になった杞憂が多い。
今までの人生の中で、心配事が現実になったため杞憂が杞憂でなくなっている。VTuber関連で言えば、推しが何人も心身の不調で実際に休養や引退しているなど。
自分はもっと周囲に助けて欲しかった。
本人なりに「人にされたいと思うことは進んでして、されたくないことをしない」を実行している。良かれと思って。
自分が極端に傷つきやすい
自分がささいな事で深く傷つくので、推しもちょっとした事で大ダメージを受けているかもしれないと思ってしまう。
好きな人に傷ついてほしくない、悲しむ姿を見たくない
ゲームでボスで詰みそうになるとか、Minecraftで先輩の家を破壊してしまうとか、激務による体調不良や疲労が見えるとか。それらによって推しが落ち込んだ反応やツイートをする姿を容易に想像できてしまう。
そうなってほしくないという気持ちが強すぎて、杞憂につながる。
自分が攻撃的思考である
「推しだから肯定するけど、今の発言を嫌いな人がしていたらキレる」ため、「そんなことを言ったら炎上してしまうんじゃ!」と少し慌てます。推しが「この方の通報お願いします」なんて言った日には、無言通報でなく暴言リプライや暴言DMを送りつけてしまいそうになるタイプ。(実行するかどうかは問いません)
杞憂される側の対処法パターン
杞憂された当人からの返し候補です。
「ありがとう。まずは自分の力でやってみたいんだ、困ったら聞くね。」
自分がやさしいと思っている善意型杞憂民に効果抜群。感謝されたことで充足感を得られて、相手が自分でやりたいということを知ったので、困って自分を頼ってくるまで力を貸さなくていいんだ、と思える。(上から目線なのは仕様)
「うるさい」「余計なお世話」「余計なこと言うな」
杞憂民は親切なつもりで言っているので、こう返されると自分が悪かったと学べる少し賢明な杞憂民を除き、「なんてやつだ」とか「え、怖…」とキレたり離れたり嫌いになったりしやすいでしょう。ただし杞憂民は反転アンチにもなりやすいタイプ。
無視
杞憂コメントが完全にスルーされていたら一定以上は増えません。悪意がないだけに減らない可能性もありますが、半端に好意的な反応をすると喜ばれていると思い、増える恐れがあります。
「相手の方を責めるようなことはしないでください」
攻撃的杞憂民が暴走しないために言っておくと防げます。例えば「ネタバレやめてね」だけだと、ネタバレをする悪い奴は攻撃してOKと変換するので「コメントせずブロック」「無言通報」まで言わないと暴走します。
・これは暴走する攻撃型杞憂民だけが悪いので、責めないでねと言わなきゃいけないなんてことはありません。
・攻撃衝動を持つ杞憂民はこの性質から、(推し以外の)影響力ある人間がうかつに人を責めてはダメだと、実行犯以上に発言した有名人をバッシングします。(その有名人は攻撃をうながしたわけでもなく「あのジャンル嫌いなんだよね」くらいしか言ってなくても)
自分が杞憂民にならないために覚えたいこと
過干渉は優しさではなく失礼
たとえば筆を探している人に探していた筆を渡すのは親切。
「この筆はもっとこう使った方が良いよ」と言い出したり代わりに描き始めるのは失礼です。
自分の心配で推しを操ろうとしない
杞憂してしまう思考パターンがすでに出来上がってるのは仕方がない。表に出す時に気をつけましょう。指示形式で「こうした方が良いよ」「しない方が良いよ」「配信やめよう」と指示し始めるともはや指示厨 兼 杞憂民です。
※指示厨(しじちゅう):配信中にああしろ、こうしろと指示コメントしまくる人。
推しに依存しない(重要)
推しに依存すると、推しの変化が恐ろしくなります。
変化とは不調、無期限休養、引退、路線変更など。(重症だと成長、飛躍も含みます)
引退なんてされたら生きていけない、そんな生活は考えられない。そうなってくると、推しがちょっと不調になったら「無理しないで!早く休んで!」と過剰に心配します。
※過剰に心配されると、推しはむしろ気軽に不調を口にできなくなる
依存は、推しの心配をしているようで「推しを失う自分の心配」になっています。好きだと言いながら相手の気持ちを考えられなくなるストーカーと近い状態です。逆上するストーカーや反転アンチも同様。推しが悩んで決めた引退も、その理由や推しの感情や決意を無視して引退を拒絶したりロス状態になります。
(ここで言う引退の拒絶は[それでも辞めないでって言いたい]という悲しみではなく、[認めない、考えられない、許せない]という強い否定)
依存体質な人で「自分が杞憂民になってるな」と感じたら、アニメでもゲームでも他のVTuberにでも興味を広げるのがおすすめ。自分に他の道があれば、推しの道を閉ざそうとしてしまうことも防げます。
「単推ししか認めない」と推しが本気で言っているとしたら……相互依存でいい関係を築ける、のかも…?
まとめ
- 杞憂民とは、推しに対して余計な心配をする人
- 杞憂がアンチより推しを傷つける可能性はなきにしもあらず
- 杞憂への対処は「ありがとう、でも自分でやってみたい、困ったら聞くからよろしくね」
- 杞憂するのは失礼(してしまうのは仕方ないけど、言葉にするなら要注意)
- 推しを操ろうとしない
- 推しに依存しない
一言で言えば「杞憂するのは推しを一人前のヒトとして認めてないということ」です。
あるいは、推しに依存して推しを愛さず自分のために操ろうとしているか。
この記事でまとめた杞憂心理は、1億の杞憂民中1億人に当てはまるわけではありませんがそこそこ該当者がいると思う。
自分が1リスナーで、杞憂民が目障りだなぁと思ったらブロック
自分が杞憂民になってるなぁと思ったら、言い方が指示になっていないかに注意したり、興味の範囲を広げてみたり
もしかしたら推しが「杞憂してくれてうれしい」っていうタイプかもしれません。その辺は配信を見たりコミュニケーションを取ったりすると見極めやすいかも。
以上。杞憂民がどんな感じで杞憂してるか、伝わったかな?^^;
※文中で言うと白けると思って削除しましたが、「相手の問題に過干渉する」という精神的な問題は2010年代に流行ったアドラー心理学の「嫌われる勇気」で【課題の分離】として解説されてます。(本は教師と哲学者の会話形式で、読むのはラノベ並に簡単)
【課題の分離】は自分と人の課題をしっかり分けないとろくにことにならんぞ理論です。
いらすとやさんありがとうございます。