概要
VTuberにおける前世とは、現在の姿や名前になる前に活動していた姿や名義を指す言葉である。
転生
前世から別の姿になることを転生と呼ぶ。
転生する理由
すでに配信していた者が、事務所所属にともない用意された姿と名前で活動を始めるケースは少なくない。逆に、事務所から脱退した場合は姿と名前の権利を企業が持っているため、活動自体を続けるなら自分で新たな(あるいは以前の)名前と体を用意し転生する必要がある。
また、オンラインでの精神攻撃やオフラインで身の危険に及ぶなど、その名前と姿で活動することが命に関わり、やむなくほとぼりが冷めるまで隠居し、転生するパターンもある。
卒業後の転生に対する批判も見られるが、上記のようにさまざまな事情がある。また、今まで培った配信スキルと機材と環境を、一度の卒業や契約解除によって全て捨てなければならないなどというルールはなく、その押し付けはあまりに乱暴である。
詳しくは転生参照。
前世への言及について
1つ言えることは、本人へコメントするのは無意味である。
企業の立場で考えれば容易に想像がつくが、個人配信者が名前や姿を変えてデビューしたにもかかわらず『中の人』を直接示す行為は、ブランディングに悪影響を与える可能性が高い。そのため、多くの契約書には『前世について話すことを禁じる』条項が含まれており、違反した場合には違約金が発生することも考えられる。このような背景から、本人に対して「俺知ってるぜ」「また会えたね」とアピールコメントをするのは、契約上本人が反応できないことを理解しないまま行うものであり、事実上の嫌がらせとなる場合がある。
これは事務所を脱退しての転生、あるいは前世返りも同様であり「私は◯◯に所属してたんですよ」と語ることは契約違反と思われため、よほど特殊な運営でない限りは、本人が前世を認めることはできない。
余談
なお、みけねことP丸様。は明らかに前世がわかるような発言または動画を前世の名前は伏せつつ投稿している。
余談2
英語圏VTuberの Nimi Nightmareは、前世ともいえるLemonLeafと同一人物であることを明かしつつ「ASMR用」としてチャンネルと姿と名前を分けている。一種のロールプレイと言えるかもしれない。
余談
前世の特定は本人にとって嫌な行為か
結論から言えば、人による。
前世のファンがついてきてくれたら嬉しい人もいるだろうし、心機一転新たに始めたい人もいるだろう。コメントは嫌がられる可能性が高いが、特定自体を嫌がるかは別である。
特に、大手事務所の人気VTuberでありながら、個人配信を続けている人もいる。前述の通りカミングアウトできないため指摘されてもストレスにしかならないかもしれないが、それが嫌でないならシンプルに「どっちからのファンも獲得できる」という大きなメリットがある。
ぶっちゃけた話、大手事務所で人気を獲得すれば個人配信者としての収入が増える可能性があるだろう。これは明確なメリットである。
余談
一方で企業側としては初期費用・ファン獲得・ブランディング、どれを取っても(人気があって問題を起こさないなら)配信者に長く在籍してくれた方がいい。企業としてはブランド目的に「ファンを獲得して転生する前提」で所属されると損害になりえる。
前世情報の需要
配信者の前世を気にする人が多数いるのは事実であり、前世を扱った動画やサイトは多く、視聴数も数十万を超える。前世や中の人など知りたくない人の検索結果にも「◯◯の中の人」として顔出し時代の映像がサムネイルの時点で見えてしまうケースもめずらしくない。
悪質なサイトに至っては「前世情報!」というタイトルで釣り、内容は「見つかりませんでした!いかがでしたか?」と、いかがも何もないテンプレ締めが一部でミームになるほど蔓延している。
前世を利用して配信者とファンを侮辱
前世(顔出し配信時代、つまりは中の人)を知っていることを利用して配信者とファンを侮辱する行為もしばしば見られる。
「かわいい」とか「エロい」とか言われる配信者へのファンに対する者が比較的多く、ネガティブなニュアンスを込めて「”中の人”で調べてみ?」といった具合である。
これに対する反応として「お前は孫悟空が野沢雅子に見えてんの?」という返しはなかなか的を射ている。