違反には青切符がきられるようになった
実質野放し状態だった自転車の違反への対応が厳格化され、青切符が切られることになった。
青切符とは?
青切符とは、罰金を払えば前科はつかない。罰金を払えばそれでその件は終了、というものだ。もし違反してしまった場合は、払うほうが懸命だろう。
どんなことで青切符になる?(一例)
イヤホンなどで周囲の音が聞こえない状態や、スマホや傘を持ったままの運転は青切符対象だ。
厳密には歩道を走るのも違反だが、これに関しては「悪質でない限りは注意のみ」と、警察から公的に出ているルールブックに明記されている。
※誤解してほしくないが、これは無条件に歩道を走っていいというわけではない。現実として、車道を自転車が走ると車が通れない道や、路上駐車によって危険極まりない問題が解決していないための妥協案と思われる。
スマホ・傘のながら運転は16000円
スマホや傘をさしたままの運転は罰金で1万6千円。
そこそこ見かける違反であり、危険すぎるのでやめてほしいとは思っていたものの、第一印象は「思ったより高額」だった。
しかし、実はこの青切符が施行されることで、結果的に違反者にも安く済む可能性がある。
16000円でも違反者にとって安い理由
自転車で人に怪我をさせた場合、どうなるか知っているだろうか?
相手が泣き寝入りしない限り、違反者が支払わなければならないのは、最低でも「治療費+その人が働けなくなった日数分の給料(+賠償金?)」だ。
ここで、相手によっての金額をざっくりと計算してみよう
- 時給1121円1日8時間:一日約9000円
- 正社員月給17万円:一日約7700円
- 年収1500万円(医者など):一日約57000円
※2025/09/10時点で全国平均時給は1121円であり、もし相手がフルタイム8時間なら8968円。
さらに、ここで治療費が追加される。
それに治療費を仮に5000円とすれば、相手がアルバイターの場合13968円となる。入院すれば一日1万円~5万円。治療が一日で終わるとは限らないため、もし1週間も入院となれば…
時給1121円 x 8時間 x 週5日勤務 = 44840円
+ 入院費1万円 x 7日 = 70000円
これだけで、約11万5千円である。
年収1500万円の場合、約35万5千円だ。
相手がまだ働いている年輩の方で、骨折でもすれば、入院1週間よりも長引くこともあり得る。
「罰金が高いからやめておこう」「一度罰金を払うはめになったからやめておこう」と思えて、この事故を防げたなら16000円の罰金など格安である。
「ながら運転でも事故にならない」は勘違い
ながら運転をする人や、自分で想像してみると、「ながら運転でも自分は気をつけているから事故にはならない。実際に、人にぶつかりそうになっても避けたり、ぶつかりそうになったこともない」という人は一定数いるだろう。
しかし、当人は気づいていないが、ながら運転している人や歩きスマホを見ると、多くの人はぶつかりたくないので道を譲っている。「ぶつかったことはない」「ぶつかりそうにならない」のは、他の人のおかげなのだ。
実際に、歩きスマホ同士や、道をかたくなに譲らない人相手の場合はぶつかりそうになっている場面は稀に見られる。
ながら運転は本人が思っている以上に事故につながる可能性があり、その結果、罰金の5倍。いや、10倍以上の賠償額もあり得る。「罰金高いし、割に合わないからやめておくか」と思えたなら、それは素晴らしいことだ。
スマホホルダーはグレー
警察の判断次第だが、スマホホルダーを使用し、停車時に使用するのはおそらく問題にされにくい。しかし「走行中に通知がきて、つい触ってしまった」ならアウトになる可能性が高い。「つい」を避けるために使用しないか、業務上必須なら、使う時は絶対に安全を確認したうえで停車するよう徹底したい。
傘はアウト
傘をさしながらの運転は言い逃れもできず完全にアウト。しかも危険で、目立つ。
雨の日の自転車は、レインコートがおすすめだ。
おまけ:逆走について
「原則車道」ということだけを知っていて、守っているつもりが「左車線の左側を走行する」ことを知らない人が一定数いる。
「原則車道」なのは、自転車が軽車両あつかいだからであり、対向車線を走ってはならない。
車道を走っているということは、ルールを守る意志があるはずだ。破ってしまうのは、知らないからだろう。
「原則車道で、左車線の左側走行」まで正確に知られていくことを願う。