※閲覧注意。著しくセンシティブな話題を含み、実例として人物名が記載されます。苦手・嫌悪感のある方は閲覧をお避けいただくことをおすすめします。
概要
VTuberにおける転生とは、名前と姿を変えて配信活動を再開することである。
転生する要因
多くの場合、事務所契約がからむ。配信者ではなく会社がVTuberの名前と外見の権利を所持しているため、個人と事務所を移行するには避けて通りにくい要素なのである。よって、主な要因は下記。
主な要因
- 個人から事務所所属になる
- アカデミーから正式なライバーになる(にじさんじ)
- 事務所所属から個人になる
- 所属事務所が変わる
アカデミーから正式なライバーへの転生(にじさんじ)
にじさんじでは無料で入学できる「バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)」があり、実際にここから石神のぞみなどかなり多くのライバーが卒業し、にじさんじライバーとして活躍している。
石神のぞみはアカデミーから同名で活動しているため転生ではないが、中には異なる名前に転生したライバーもいるため、このカテゴリに入る。
転生する理由
前述の通り、会社が名前と体を所持しているため、卒業後に活動するなら転生しなければならない。卒業=活動をやめるのではなく、「今の事務所では下記の理由により活動が続けられない」からやむなく名前と体を手放すのである。
- 所属事務所との方向性が変わり、自分のやりたいことができなくなった
- 事務所の求めるスケジューリングに心身がついていけなかった
- 活動を継続するのが困難になるほどの過激なアンチがつき、そのままの名前と姿では活動がむずかしくなった
1の場合はむしろ本人にやる気があることが多く「活動するために卒業する」のだから、むしろ転生して当然の動機である。
2の場合は問題点がスケジューリングであるため、自分のペースで配信できれば問題がクリアできる。つまり転生すれば解決する可能性が高い。
3の場合もほとぼりがさめて名前と体が変われば執着してくるアンチは少数になるため、活動を再開できる(炎上被害者といっしょにするのはおかしな話だが、現実世界で国中から嫌悪された犯罪者が名前を変えて生きることもある)。
3以外は名前と体をそのまま使えればファンを引き連れて離脱できるためメリットが大きいのだが、企業としては自社商品であり、ブランドであるため大金を積まれてもそうそう渡せるものではない。
例外
大きな例外として個人勢の周防パトラは大手事務所「774inc.(ななしいんく)」から周防パトラの権利を正式に買い取り、周防パトラとして個人勢になる偉業を成し遂げた。
これを成し遂げたななしいんくと周防パトラの何がすごいかと言うと、企業側にすさまじいリスクがあるという点。もしこれが気軽にできるのであれば「大手事務所に入ってファンを獲得したらファンを根こそぎ奪い取って独立する」という暴挙ができてしまう。さらに個人となってVTuberが暴走し悪事を働くなどした場合、元とはいえ所属していた事務所ブランドにも大きな傷がつく。
そう考えると気軽に前例をつくれるものではなく、人気絶頂の大手事務所VTuberが配信活動を続けるにも関わらず名前と姿を手放して転生せざるを得ない理由でもある。
たとえば潤羽るしあがその名前と体を買い取りたいとホロライブに申し出たとして、ブランドイメージなどのリスクを考えれば1兆円を積まれても売ることはないだろう(これは子供じみた金額設定ではなく、数億程度では話にもならない価値とリスクがある)。
また、星街すいせいのように個人で活動していたVがそのままの名前と声で事務所契約するパターンもある。が、同事務所で元大物Vが名前と姿を変えて転生し新人となったため、時代や事務所の大きさ、そしてブランディングも関係があり、少なくともホロライブでは今後同じ例が出ないと思われる。
にじさんじの葛葉のように、個人勢からスカウトを受けてそのまま転生せず加入するケースもあるが、これもにじさんじが大きくなった今では考えられないだろう。天開司あたりはワンチャンありそうだが。
転生に対する批判
転生に対して否定的な意見を持つ人たちがおり、多数派ではないが少ないとも言えない。代表的な意見は以下の通り。
- 「卒業とはなんだったんだ」
- 「金返せ(卒業を理由にスパチャした)」
- 「◯◯(転生前)が好きだったのであって、中の人が好きなわけではない」
- 「転生先まで追ってるやつは結局Vじゃなくて中身好きなだけ」
これらの意見は、だいたいが「勝手な自分ルール」と「逆恨み」に過ぎず、自分が正しいと思い込んでいるだけの内容である。
卒業と転生について
「活動するために卒業する」場合、むしろ転生しなければ卒業した意味がないし、そもそも転生してはいけないなんてルールは最初からない。スパチャに関しても、「卒業後に転生しない」という約束がない以上、永遠の別れだと勝手に決めつけて金を払い、後から勝手にキレるのはそのリスナーの問題である。
また、「あの卒業時の涙はなんだったんだ?」という声もあるが、これも的外れだ。実際には以下のような理由で感極まることは自然である。
- 反転アンチや転生アンチの存在
- 今まで後ろ盾であった事務所を失い、一人で活動する不安
- 元同僚と表向きに関われなくなる寂しさ
- 転生後に応援されない可能性への不安
- 転生後の存在に気付けない潜在ファン多数との別れになる事実
転生するとしても、目の前の別れが「確実な別れ」であることには変わらない。これらを考えれば、卒業時に涙を流したり感傷的になるのは当然だ。
「中の人が好き」という批判について
「◯◯(転生前)が好きだったのであって、中の人が好きなわけではない」という意見はおかしくない。だが、それを他人にも当然だと押し付けるのはおかしい。例えば、潤羽るしあを例に取るなら、「ホロライブのるしあが好きだったのであり、転生先には興味がない」という主張自体は理解できる。だが、「るしあのような価値観・声・才能・似た見た目を持ったVTuber」がいれば、るしあが好きだった人に刺さるのは当然である。
たとえ別人であっても「るしあのような価値観・声・才能を持ったキャラクター」を好きになるのは自然なことだし、本人だと知っている場合はなおさら筋が通っている。
むしろ「名前以外はほぼ潤羽るしあそのもの」である転生先があったとして、しかし「ホロライブの潤羽るしあが好きだったのでありそれが同一人物でまったく変わらなくてもそれは嫌悪する」のは「事務所ブランドが好き」なだけで「るしあの人格や歌声は好きじゃなかったのか?」という疑問に繋がる。
これは別ジャンルでも同様で、例えば、シャナ、ルイズ、三千院ナギ、逢坂大河のキャラクターが好きな人に「結局お前は釘宮理恵が好きなだけだろ」と言っても、各キャラクターを別個として好きな気持ちと矛盾はしない。それと同じで、転生後を好きになるのは自然なことである。
余談:Vの体や顔出しに関する批判
似たもので「Vの顔出しや体を見せるのは意味がない」という批判もある。しかしこれも、「それじゃVの意味がない」という自分ルールを勝手に押し付けているだけだ。Vがどんな表現方法を取るかは自由であり、なぜかそれを盲信する人が少なくないのが現状だ。
転生あるある
あまりイメージの変わらない体を再入手することが多い。Vの体が自分のリアルと近い場合や、好みの問題や、すでにその姿がアイデンティティになっているとか、転生前のファンに受け入れてほしいなど、いろいろ理由はあるだろう。
極端な例では転生前と同じママに依頼するということもあり、おそらくはデザインも前のにかなり近づけるよう要請しているのではないかと思われるパターンもある。これは先述のアンチが嫌悪する要素であり、同時に転生前からのファンにとってうれしい選択である。
また、大手事務所のVを担当したほどのママへの依頼料が安いわけもなく、知名度的にリスクある仕事は受けられない。転生前からの稼ぎと一定以上の信頼と関係構築があってこその再結成といえるだろう。
切り抜き動画では「転生前の一人称を出しちゃうVTuber www」のようなサムネもちょくちょく登場し、数万~数十万再生を獲得している。
転生のもう1つのメリット
事務所がすべてそろえてくれる場合を除き、配信者はみずから配信機材と環境をそろえており、経験から配信のノウハウも持っている。これらの技術・才能・設備がありながら、事務所を抜けたからといって配信をしなくなる理由はない。にじさんじやホロライブなど大手の事務所で活躍する半数以上は所属前から配信経験があり、一度事務所に入って抜けたからといって配信業を禁止されることがあるならそれは人権侵害レベルの理不尽である。
今まで得たスキルと所持している道具や設備で生計を立てるのは他の職業や転職でもなんらおかしくない選択である。
配信自体が嫌になったのでないのであれば、転生しない理由は少ないだろう。
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