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ネタバレ注意
この記事には『魔法少女ノ魔女裁判』のストーリー及び『城ヶ崎ノア』に関する重大なネタバレが含まれます。

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ノアの禁忌と、私たち末端絵師のこと
※この記事での「末端絵師」とは、アマチュアかつあまり評価を得られない絵描きのことを指しています。
ノアの禁忌とは?
城ヶ崎ノア(以下、『ノア』)は、世界的な正体不明グラフィックアーティスト『バルーン』。突如、町中の壁などに描かれる素晴らしい絵で、伝説的な存在だ。
そんなノアの禁忌とは、【本当は自分の絵が下手なこと】。
ノアの魔法は、絵が描けること。素晴らしい絵が描けること。しかし、その魔法が絵にかからないことがある。魔法がかからないと、そこに残される絵は、ノアの実力通りの下手っぴな絵。
これを見られること、知られることは、ノアの禁忌だ。

この魔法は、末端絵師にとっての画像生成AIだ
ノアの場合は「描いた絵が強制的に画像生成AIのハイクオリティになる」とも言える。
ここで、見苦しいかもしれないが私の事例を見てもらおう。左が自作で、右が画像生成AIだ。


元絵がラフで、生成AIは文字がバグっていたり腹部のベルトの位置が違うなどの不具合はあるものの、クオリティ差は歴然。多くの人はAI版を高く評価するだろう。
私は下手であろうと自分の絵のほうが好きなので、これに対して傷つくことはない。画像生成AI版ではなく、自作絵を優先して投稿する。AIが1000いいねされても、手描きが10いいねされるほうが嬉しい。
しかしノアのように「描いた絵が強制的に画像生成AIクオリティにされる魔法を持っていた」としたらどうだろう?投稿して「素晴らしい」と言われるものはAI版。そして世界はノアの絵が生成AI(魔法)とは知らない。

世界的評価がもらえているなかで「いつものように投稿したら、魔法がかからなかった。自分の、へたっぴな絵が見られてしまった」としたら。
アイデンティティが崩壊する。コンプレックスが世界に晒される。
AIは容易に作れて、容易に評価が得られる
私のPixiv評価(いいね数順)を見ていただこう。AIと明記しているのが画像生成、描いていないものは手描きだ。
100以上の画像投稿のなかで、AIが上位に3つはいっている。

重要なので改めて補足すると、私は自作のほうが好きだし、嬉しさは自作10いいね>AI1000いいねである。
しかし、評価が欲しくてたまらない末端絵師が、自作絵が0いいねで画像生成は100いいねをもらえるとしたらどうだろう?
何時間も、何日もかけて描いても評価されない、誰も見ない、誰も求めていない。画像生成AIでは大した個性が出せなくとも、こだわらなくとも、手描きよりはいいねがもらえる。
画像生成AIは、本気で取り組まないなら適当な言葉を入れたりネット情報をコピペするだけでそこそこのものが生成される。指の角度や背景の小物にこだわりを入れる必要もない。数分~数十分で適当にだしたもので、手描きでは得られなかったほしい評価が手に入る。
これは、自分の絵か、絵を描くこと自体が好きであったり、評価を気にしない人間でなければ、この誘惑は非常に強いだろう。
手描きをいくら擁護しても……
SNSでは、画像生成AIを問題視する人と、画像生成AIを否定するなという人々で口論が続いている。
画像生成AI否定派の中で、『下手でも手描きのほうが魅力的だ』というコメントはかなり多い。しかし、前項目の私の例でも、画像生成AI投稿は、全力で描いた10枚のウマ娘ファンアートに迫り、VTuberファンアート200枚を追い越している。
『手描きのほうが好き』と言う人達の気持ちは、きっと本当だ。しかし、それは評価数に現れない。
これは手描き投稿が多かったり、SNSでは言葉の一人その考えの人の総数が関係なかったり、その人にとって『上手い手描き>>>>下手な手描き>>>>画像生成AI』だから手描きの方が好きなのであって、下手な手描きを見るたびにいいねすることは時間的にも気力的にも不可能だろう。
仮に手描きのほうが価値があったとしても、末端の手描き絵師が求めている評価は得られない。
ならば、仮に生成AI画像が無価値でも、評価されることへの誘惑は強烈だろう。
願わくば、どうか「いいね」という無償の評価を。
絵を公開する以上、そこには承認欲求がある。自分の絵を見てほしい、良いと思ってほしい、好きと思ってほしい。しかし、その好意はコメントや「いいね」くらいでしかわからないだろう。
「下手でも手描きのほうが良い」という人は、「下手だけど、好きだな」と思う絵には積極的にいいねをしてほしいな、と願う。その末端絵師が、キャンバスを黒く塗りつぶさなくて良くなるかもしれない。


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