超絶ブラック企業で働き、すでに限界を超えて働き続ける青年「憂」
彼の元に、悪魔が現れます。それは「サキュバス」 男の精を奪いそれを糧とする悪魔──
しかし、青年は思い鬱状態。精を奪おうにも性欲はゼロ!
サキュバスさんは憂鬱くんから精を奪うため、鬱を癒すべく立ち上がる。
癒されなくてはいやらしくなれない。心温まる悪魔と青年の二人暮らしが始まります。
下ネタ表現は結構きつめなので、苦手な方はここでブラウザバックがおすすめです。
サキュバスさんの名言から学ぶ鬱病に響く言葉
サキュバスさんの下ネタ度合いはかなり強めですが、憂くん(憂鬱くん)の鬱もかなり強めです。
新型鬱ではなく定型鬱の方で、楽しい事もできず美味しいものも感じず眠れないという、つらいのが見てわかるタイプ。※
※新型鬱は好きなことだけはできる鬱。定型鬱は好きなことや美味しいものも全く楽しめなくなる鬱です。
ギャグ漫画でありながら、うつの病状はけっこうリアルです。
サキュバスさん名言集
自分 甘え舐めてるん?甘えられるやつがそんなに神経すり減らすわけないやろ!甘え下手がうぬぼれおって!
「甘え過ぎですよね 僕…」と言った憂くんにさくまさんが投げかけた言葉。
今は働けず家事をさくまさんがしているという現状も、自分を責めてしまうんですよね。
憂くんは人に甘えるのが下手です。甘えすぎている人ならこの状況、楽ができてラッキーくらいに思えているでしょう。
骨折したら会社休む 心折れたら会社辞める セックスもできん奴に仕事なんかできん
「何に対して心が折れたか」とか「会社が味方かどうか」で変わるとは思いますが、会社が敵であることも心が折れた理由の一つなら、辞めたほうがいいと思います。
ブラックな上司から言われなくても、働いていて自分で「ここでやっていけないなら、他に行ってもダメだろう」と決めつけてしまいやすいです。
生活もありますし自分に原因があるなら次の場所までに正した方がいいのは事実ですが、三大欲求が喪失するような状態なら「一生懸命逃げる」のが良いでしょう。
三大欲求を上回るほど仕事が充実してる、と言う場合は別ですが、それはそれで倒れるとその仕事ができなくなるので、どちらにしても本能的欲求は大切にすべきです。理性と同じくらいに。
使えるもんは使ったらええねん!恥とか考えるのは三大欲求が満たされた後や そもそも人間なんぞ生きてるだけで恥や 迷惑や!そんなもんや
自殺に関する情報をネットで調べた方なら見たことがあるでしょう
- 「迷惑にならない自殺方法はありますか?」
- 「迷惑だから自殺はするな」
どちらもよくありますよね。
生きていても死んでも人は人に迷惑をかけていますし、迷惑以上の何かを与える人は好かれやすくて、迷惑ばかりが多い人は嫌われやすいでしょう。
「恥をかきたくない」と怯えていると死にたくなりやすいので、「生きてるだけで恥、迷惑、そんなものだ」と思うくらいでちょうどいいのかもしれません。
その心配ができる人は、開き直ろうとしても恥知らずというほどのことにはなりません。
今のお前は頭・心はとても働けへん向きなのに体だけ働かそうとしてんねん 心が上手く方向転換できん内は無理せずに心に素直な方へ行くんが前向きや!せやから…もう「働きたい」だなんて後ろ向きなことは言ったらアカンで (憂くん)『でも…』 だぁ〜め!
これを怠惰な人に言うと社会不適合になるだけだとは思うんですが、憂くんみたいな鬱になるタイプのほとんどの人は、元気になっても働かないということができません。
「またあの地獄に戻るんだろうか」という恐怖がある、という意味での「働きたくない」はあるかもしれませんが、労働せず遊んでたいという考えは、健康な人より少ないくらい。
この辺りは定型鬱と新型鬱で真逆なので、誤解を生みやすい部分でもありますね。
ええよ…それでええ
さくまさんが気づかない内に、おそらくは毎晩布団の中で泣いていた憂くんに気が付き、布団越しにただ抱きしめたシーン。
ただ「肯定する」
まとめ
鬱になる人は心身がボロボロになっても、逃げたり休むことが下手だったりできなかったりします。
もしも大切な人から笑顔が消えていたり、無理して笑っている状態が2週間以上続くようであればなんとか休みやメンタルクリニック受診へ誘導してあげてほしいんです。
好きなことはできるけど嫌なことになると体を起こすのも困難になる「新型鬱」は、薬が効きにくいと言われています。
しかし憂くんのような定型鬱は薬で寛解(完治ではないけどある程度治ること)することも少なくないと言われていますし、そうなればまた笑えて、働くことも可能です。
再発しないように、無理しない方法を学ぶことと回復するまで自殺しないように守る必要はありますが、本人も元どおりになりたいと願っていることが多く、「鬱は治る病気だ」というのもよく言われる言葉です。
───2018年1月19日の休載から2020年4月3日、2年ぶりに連載が再開されました。
書籍と電子書籍では書き下ろし収録。
作者のさかめがねさんは会社員を辞めてお金が欲しいそうなので、気に入った方は書籍をぜひ。
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