鬱の人に言ってはいけない 天使の暴言・名言集
ある日から、憂くんの元に一人の天使がやってきます。
彼女は憂くんを「頑張りましょう!」と叱咤激励(叱りつつ励ますこと)
漫画の中で彼女が言っている言葉は、夢に向かって頑張りたい人にとっては名言かもしれません。
ただし、鬱病真っ最中の憂くんに向かっては、逆効果です。
「鬱の人に頑張れと言ってはいけない」というのはよく言われていますが、かならずしも甘やかせという意味とは限りません。
ポジティブにも思える、「頑張れ」をなぜ鬱の人に言ってはいけないのか。
この記事の最後で多くのサイトや本でよく言われているのとちょっと違う言葉で解説します。そこだけ見たい方は目次から飛べます。
頑張ってください!みんなは普通にできてることですよ?努力が足りません!こんな状態良くないです!心の力を燃やして悪魔を退けましょう!
鬱の人に言ってはいけない言葉のフルコース!初登場セリフです。
憂くんは案の定「やっぱり僕 また働かないといけないと思うんです…」と話し、さくまさんに小突かれます。
翌日、憂くんはさくまさんに隠れて就職雑誌を読んでいました。
表紙には「1日30時間働ける職場特集!!」の文字が…
あっ!でも頑張れば頑張れますよね!
多分、頑張りたい人に対して言えば名言になると思います。
人はときどき頑張るのが目的になっていることがあって、その時はまさに頑張ることを頑張っていたりします。
なんらかの目的があって、それを達成するために頑張る必要があるから頑張るのであって、頑張らなくても達成できることは頑張る必要はありません。
その分、それに対するクオリティアップや他のことを学んだりするのにその頑張りを向けた方がいいでしょう。
疲れるまで仕事(または勉強)をするのが目的ではなくて、目的に必要なところやさらに上を目指すために疲れるまで取り組む必要があるという状況もあるだけです。
やればできる
憂くんみたいに鬱が治っていない人に向けて言うのは最悪ですが、元気なのになかなか行動できない人に対しては背中を押してあげる言葉になるかもしれません。
行動は大事です。体や心が傷ついて動けない人は除いて。
辛いですか?しかし明けない夜はありません!頑張りましょう!
この言葉を投げかけられた憂くんは、辛く、眠れずに出社時間を迎えた朝を思い出し症状が悪化。
言葉だけを聞くと良いことを言っているとも思えるのですが、いつかは日が落ちるし雨も降ります。どんなものでも表裏一体ですね。
動く気があればどんな気分だろうと動けるものです!そんなちょっとも動けないなどありえません!甘えです!
まとめと解説
鬱の人に頑張れということのなにがまずいかと言うと、鬱が寛解(完全には治らないけど、普通に近い状態でい続けられること)したら憂くんは間違いなくまた一生懸命働く人です。
いま追い詰めると回復前に頑張ろうとして、結果的に「頑張る」ことのできる状態になるが遅くなります。
鬱の人を本当に頑張らせたいなら、ある程度心が持ち直すまで休んでもらうのが最速なんです。
また鬱にならないために、頑張らなくていいくらい環境を整えられたらいいですが、それは社会の中で結構むずかしいでしょう。
「頑張るとしても無理はしない」技術は回復してきた憂くんに身につけてほしいスキルです。そのままだと、また無理をするでしょうから。
書籍・電子書籍版では書き下ろしもあります。
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