VTuber(バーチャルYouTuber)には、なぜか「それはVTuberじゃないだろ」という謎ルールを押し付けられることが多い。だが、そんなルールはない。リスナーの好き嫌いがあるだけだ。
この記事では、世の中で見かける謎ルールをまとめる。
好き嫌いは悪いことではない。ただ、ルール違反でも、マナー違反ですらもないことを非難・押しつけることは、配信者のの自由な表現を、勝手な“ルール”で縛ることになってしまう。この不満から逃れるには、主に「受け入れる」、「もう見ない(別の配信者を見る)」という選択肢がある。
※紹介や誘導は、ご自由になさってください(ただ、押しつけや「これが絶対正しい」と主張することは望みません)。
配信スタイル・ブランディング
▼顔・体を出すな
「VTuberである意味がない」「萎える」というマイルールで語られやすい。
▼実写(カメラ配信・写真を出す)はやめろ
こちらも「萎える」という理由が多い。
▼顔を出せ
見たい気持ちは理解できなくもないが、ブランディング・身の危険共に、求めること自体が配信者へ恐怖・不快を与える可能性がある。
▼「3D LIVEなんて金かかるし、それに見合う需要ない。普通の配信をしたほうがいい。」
実際にあったコメント。
「ただの発言者の好み」+「素人の助言」である。
▼こうした方が人気出るのに
複数の”おかしさ”がある。
長文のため重要なことを言うと、活動参考において「素人の助言は聞くな、感想は聞いていい。プロの感想を聞くな、助言を聞け」である。以下は詳細。面倒であれば読み飛ばして問題ない。
・配信者はすでに知っていて、その方法を選ばない可能性がある
・事実だとしても、人気がほしい<<<<<それはやりたくない、ということがよくある
・失敗や問題発生があっても、発言者が責任を取らない
・たいてい、発言者は配信をよく見ているだけで知った気になっているだけで、プロではない(素人の助言は役に立たない・逆効果)
・単に「自分がその方が好き」であるだけのことが多い。素人の主観である
・上記に通ずるが、求めていない助言はたいてい「余計なお世話」である。求められた時であれば、その限りではない
・大手事務所にいたっては、プロがしっかりサポートしている事が多い。発言者の提案は知った上でやっていない可能性が高い(他の問題点が変わらないため、個人相手ならいいというわけではない)
読み飛ばしていい蛇足:指示厨を含め、たいていはダニング=クルーガー効果(ちょっとしか知ってる人が一番自信満々になる心理)である。助言に最も適さない状態のため、「そういう心理がある」と知ることで、自制しやすくなり、他人の暴走も落ち着いてスルーしやすくなる。
▼(※別の問題をはらむ)画像生成AIを使うな
こちらの問題は、画像生成AI自体が「著作物の無断利用では?」という点が問題であるため、その点で批判が出ることはおかしくありません。
しかし「”VTuberが”使うべきではない」というのはルールの押し付けで、別問題です。批判の仕方を誤るとかえって主張が通りにくくなるため、互いに不利益です。
▼ママを替えるな(ママ:キャラクターデザイン担当のイラストレーター)
印象がガラッと変わり、別人のように見えてしまうために起きる批判です。
これも気持ちはわかりますが、「そんなルールはない」の一言に尽きます。
ママとの関係は「依頼主と受注者」でしかなく、契約上合意・あるいは契約になければ、互いに縛られる理由はなく、デメリットが大きくなります。
▼例
たとえば、ママと不仲になりバージョンアップができなくなるだとか、安くてサービスも良い別クリエイターと契約できなくなるなどです。
クリエイター目線から見ても、一度受けたらずっと引き受けないと不誠実扱いされかねません。
活動・生き方
▼転生すんな
嫌がる気持ちは理解できるが、ダメな理由がない。
以下は転生するメリット参考。読み飛ばしてかまわない。
・配信へのモチベーションがある。
・配信ノウハウがある。
・すでに、配信機材や環境に多大な投資をしている。
・そもそも卒業理由が、「この事務所ではやりたいことができない・夢を叶えられない」など、活動を続けるための卒業・転生のケースも多い。
・※ここまで、「一般的な仕事なら『同業種への転職』や『独立』と同じことである」。
・配信は続けたいが、炎上やストーカーから逃れたいという場合にも、転生は有効。
・強くなりすぎてしまったキャラクターイメージをリセットするために、転生が有効。
実質ルールに近くなってしまったもの
※「そんなルールはない」ことは変わらないため、炎上などのリスク承知で企業や個人が従わなくてもおかしくありません
▼魂が複数は許されない
具体的には、VTuberの原初であるキズナアイが三人いたことで大炎上しました。
そもそも「バーチャルYouTuber」という概念自体を作り出したのはキズナアイであり、ルールなどなかった。ただ「多くの人が気に入らなかった」だけなのだが、「だめに決まってるだろ」と決めつけられる事態となり、キズナアイは個別にデザインと名前のある3人に分離。
これにより、「VTuberの体は一人にしか扱えない」という実質的なルールに近いものができてしまいました。
VTuberは永遠の存在になれる可能性もありましたが、バーチャルであるにもかかわらず魂の体調不良による活動中止や、死亡により完全消滅する未来がほぼ確定しました。長寿種族であっても、100年以内にいなくなってしまうというロール破綻も起きます。
▼魂の交代は許されない
いため、実質ルールに近いものになってしまったものです。
具体的には、道明寺ここあがこれに該当。
初代道明寺ここあが卒業し、2代目道明寺ここあが同じ名前と体で活動。しかし批判が殺到し、2代目がロングヘアとショートカットにばっさり切ったことである程度収束しました。
企業視点でみれば、高額の投資をしたモデルと名前のブランドが、魂の引退によって完全に使用不能になる(道明寺ここあの場合は髪型変更の資金を要する)という負担が実質確定しています。
これは企業が「うかつにタレントを雇えない」というデメリットがほぼ固定されました。中小企業にいたっては、参戦自体が困難で、結果的に業界の萎縮につながっています。
関連リンク
配信者に嫌がられやすいコメントや行為をまとめている。
配信でよく指摘されるマナー違反メモ【VTuber】 | らくハレ(楽、晴れ。)
まとめ
自分の中で「こういうものだろ」と思うことこそ、「それ、誰が決めた?」「皆が言ってる?皆って誰?身近な5人くらいとか、SNSのかたよった声じゃなく?」ということを意識すると、いろいろなことがきちんと見やすくなり、自分の苦しさが減る。おすすめしたい。
「好き嫌い」は自由だが、押しつけるのは不適切。
また、「嫌い」というのも自由ではあるが、エゴサが一般化している今は本人に届く可能性が高い。それは悪意ある悪口と区別できないため、非推奨である。
それでも言いたい時は「(特定の配信者を名指しせず)VTuberが体見せるの好きじゃない」だとか、「(これも少し押し付けに近くなるが)もっと◯◯の◯◯配信が見たい」だとか、ただ純粋な自分の気持ちだけを発信するのがいいかもしれない。
他にも何かあれば追記する。