見た内容
自分でプレイしたわけではなく、おニュイ(にじさんじ所属のバーチャルライバー ニュイ・ソシエールさん)の配信を見ました。
おニュイの配信▼
【#01 JUDGE EYES 死神の遺言】正義という名の凶器 ※ネタバレあり【にじさんじ/ニュイ・ソシエール】
もし新作ロストジャッジメントと記憶が混じっていたらすみません。
シリアスめな話
生野は壊れていたのでは
ラストでアドテック9を自分に投与して、苦悶の表情で倒れた生野。
あの時彼は「完成した」と言って証明のため自分に投与したと思うんですが、おそらくは今まで投与された人たちと同じように青い瞳になり絶命しました。
「なんで完成したと思ったんだ?」
彼は完成したと断言して、死ぬつもりはなく自分に投与したように見えました。ネズミにしろ人体実験にしろ、投与された生物が生き残っていた描写はありません。完成したと勘違いできるような要素が思い当たらないんです。
モグラに襲撃されたストレスがトドメだったか、あるいは人体実験をし始めたあたりかその過程でもう彼は壊れていたと考えた方が納得できました。
正常な思考ができず、毒性の排除できない薬を作り続け、何も変わらないのに完成したと思い込んで自分の命を奪ったのかもしれません。
薬が完成しなかったから「最悪」で終わった
結局、アドテック9はアルツハイマーの薬にならずただただ人の命を奪い続けた猛毒でした。
正しい手順で薬を開発しようとしても、望む結果が得られなかったということは現実でも起こり得ると思います。それが正当な手続きや手順を踏んでいても、その金額や用途を半端に知ると「無駄に金を使いやがって」と思ってしまいそう。
でもアドテック9は正当な手続きどころか、人を攫って人体実験を繰り返し、結局アルツハイマーは治りませんでした。
本当に最悪な結末でしたが、アルツハイマーの薬が完成していたら「犠牲者よりはるかに多くの人が助かったんだ」と正当性を感じてしまったと思います。その犠牲者が冤罪死刑や無実の人だったことを知らなければ尚更です。
正義などない
私は日本のフィクションに多い勧善懲悪が大好きです。
でも海外ゲームやジャッジアイズはわかりやすい悪と正義に分かれていることが少なくて、ヒーローも悪い部分がかなりあったり、悪党が正論を言っていることも多く感じます。海外ゲームで言えば悪人が必ずしも倒されたり罰を受けない印象が強いです。
ジャッジアイズや龍が如くシリーズは、嫌なやつでも性根が腐っているかそうでないかで印象が全然違います。性根が腐っていないキャラクターの場合は、味方になってくれたり最後まで相手の信義を貫いて敵でありつづけたり、かっこよさがありました。
生野はひたすら悪事を正当化し、周囲まで加害者に巻き込み続けました。ゲーム上で見ると吐き気を催す邪悪ですが、彼は彼の正義で行動し、実際に薬が完成していたら感謝する人の方が圧倒的に多かったと思います。
主人公のキムタクこと八神はゲームのヒーローポジションですが、不法侵入からハニートラップ、脅迫、軟禁など手段を選ばない様は悪党に近いものがあります。
結局、正義は見る人によって違うものなのなんですよね。これに関して深い議論を始めようとすると、ほぼ喧嘩の討論にしかならない気がします。
自分が正しいと思った時、人は最も残酷になれる
この心理についてはジャッジアイズを見る前にも記事を書いたことがあります。
弁護士の星野くんも普段は控えめで頼りない印象なのに、さおりさんにセクハラした木戸に対しては脅迫をしようとするなど過激な手段をとりかねませんでした。
「こんなやつに遠慮する必要ない」「どうせ言ってもわからないし、痛い目を見て当然だ」なんて、自分の中に納得できる攻撃の正当性があれば躊躇う理由がなくなります。
イジメを含む暴力を最初に振るった人も「あいつがムカつくやつだったから」と相手に攻撃するだけの理由を主張する発言をしていたり、それに反撃した人も「あいつが殴ってきたから」という理由があります。
近くに居ただけでムカつくとか憂さ晴らしに殴るというのは私には理解できませんが、それでも強盗がナイフを持っていて襲いかかってきたら、「身を守る」という自分を納得させられる理由のもとに強盗へ危害を加える可能性があります。
私は「身を守るため」に相手を突き飛ばしたり動けないように拘束するのは悪行とは思いません。
私にとっての「身を守る」というラインが、別の人にとっては「あいつがムカつく」と同程度なのかもしれない。そうじゃなかったらいじめ・セクハラ・パワハラといった犯罪行為はもっと少ないと思うのです。
モグラこそサイコパスかもしれない
サイコパスというと、厨二的な感じでは「ひゃっはー」で、もう一歩理解が進むと「冷たさを感じたり、無感情に見える。淡々としている」「犯罪行為を好む」という印象でした。これらのサイコパスへの認識は8割くらい間違っていると思います。
サイコパスの特徴で知っているのは
- サイコパスであるという自覚がない
- 自信に満ち、自分が特別であると考えている
- 一見、常人に思える
- それどころか魅力的な人間に見える
- 良心が欠如している
めちゃくちゃ当てはまるんですよね。
ちょっと間違った認識のサイコパスキャラクターだと、拷問を好んだり反社会的行動を好む描写が多く見られるんですけど、それはどちらかと言えばソシオパスではないかと思います。
サイコパスは良心や共感力が欠如しているから結果的に拷問に興味を持てばためらいなくできてしまうだけで、必ずしも人をいたぶるのが好きとは限らないようです。
モグラも情報を引き出すために痛めつけることはしていましたが、拷問自体が目的ではなく殺しも方法や余韻にそこまでこだわらず手段として淡々と行っていました。「アイスピックは女用」と言っていたのはこだわりかもしれませんが、別の場面で八神くんに使おうとしましたよね、確か。
アルツハイマー治療薬
実現してほしいですね、本当に。
シリアスじゃない話題
セクハラが気持ち悪い
さおりさんのハニトラにかかった木戸や、変態三銃士のお尻マイスターは背筋がゾワっとしました。セクハラや痴漢の被害者ってこの気持ち悪さを数十倍にしたものを感じているんじゃないかと想像します。
ハニトラはそれが狙いだったので木戸の非が10とは言いませんが、それでも大半は非だし現状に罪悪感があるならあんなにウキウキとセクハラできるものなんでしょうか。
ジャッジアイズを含め、龍が如くシリーズって気持ち悪さや痛い表現、邪悪や悪党を描くのが本当に上手いと思いますね。
キムタクや俳優の演技力がすごい
バトルアクションでも声優並に違和感がないボイス、普段の会話も自然で演技は素晴らしいものでした。
どうしても過去にタレントの木村拓哉を見過ぎていたため、八神ではなくキムタクに見えてしまうシーンはかなりありました。それでもある程度話に入り込めるのは流石の演技力です。
さおりさんが魅力に溢れ過ぎている
ゲーム内で言えば一番ガールフレンド候補であってほしいキャラクター。
でも星野くんが尻に敷かれながらもさおりさんに背中を押され、人として弁護士として大きく成長していく姿が想像できるのでその道が公式である方が良きです。
最後に
龍が如くと似ていますが、極道としての戦いと弁護士&探偵の戦い方が違って良いですね。
極道は方の力が及ばない場面で大きな戦いが起きたり隠れたりしますが、弁護士は闇に光を当てて、探偵は暴力以外の手段も用いて切り崩していく印象です。
おニュイはロストジャッジメントを配信するなら前作からプレイしたかったと話していたはずなので、ロストジャッジメント配信も楽しみです。
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