愛亡き三姉妹『ゴミクズ』『きらきら』『おはなちゃん』
血のつながりはない三姉妹。
- 三姉妹の共通点
- 賞金首であること。
- 達人程度の戦闘能力を持つが、超人や勇者のような強さには及ばないこと。
- 能力者ではないが、ジャパニーズファンタジー的戦闘能力。超スピードや相手を宙へ打ち上げるなど、細身に見合わぬパワーと、修行量に見合わぬ戦闘技術
- 他者への悪意を持たないこと。
- 両親からひどい虐待を受け、体に残る多くの傷痕があること
- 捨てられた、逃げ出した、それぞれの理由で親元からは離れていて互いの現状は知らないし、興味もない様子。
長女『ゴミクズ』
かつての両親から呼ばれ続けていた名前。生まれた時につけられた他の名前があったのかもしれないが、物心ついた時には普通の名前はもう失われていた。
ひどい扱いを受け続けたにも関わらず、優しい心を持ち続けいつも笑顔でいる。それは穏やかなようにも、狂気を帯びているように見える。
武器を持たないが、素手で屈強な戦士の首を折った例も記録されている。
彼女への攻撃に対してはあまり抵抗しないが、妹たちへの攻撃には強く反応し、攻撃者を叩き潰そうとする。
『ゴミクズ』の両親
ゴミクズが生まれる前、両親は我が子の誕生を心待ちにする普通の夫婦に見えた。
しかしゴミクズが生まれると、生まれた時から一度も泣いたことがなく、しかし身体にまったく異常が見られなかったゴミクズの異質さを不気味に思い、それが耐えられなくなるとゴミクズへの迫害を始めた。
それでもゴミクズは笑顔を絶やさず、それが両親の迫害を増す結果となった。
ゴミクズはどのような仕打ちを受けても漠然と「パパとママはわたしのことがきらいなんだぁ」と思いながら笑顔を浮かべ、ある時、まるで近所の散歩に出るかのように家から立ち去り戻らなかった。
両親は悪夢から解放され、新たな子を授かり普通の幸せな家庭を築いている。
次女『きらきら』
食べ物の窃盗を繰り返してわずかな懸賞金をかけられた。
小遣い稼ぎと軽い気持ちできらきらの命を奪おうとした者を返り討ちにしていくうちに、懸賞金は高額になる。
自分の本名は覚えていなかったが ”自分の首を取りに来た人たちが、時々『きら!きら!』とか言っている。それは私のことなのかなぁ”と思い始めて名前にした。以後、一人称は『きらきら』になる。戦闘中であったり、賞金稼ぎが興奮状態であるため聞き取りにくかっただけで、実際に彼らが言っていたのは「Kill」や「斬る」だった
すでに10代後半〜20代前後に見えるものの、口調は幼く、花が好き。
愛刀を残して父は亡くなり、母親から虐待が繰り返されたある日、きらきらは母を斬り1人で家を出た。
もう、父の記憶はおぼろげで思い出すこともなく、呼んでくれた名前も忘れてしまった。
花が好きなのも、父とよく行っていたお花畑と、父が「〇〇は花のように綺麗で、かわいい子だ」と言われていたため。いつも笑顔でいるのも、父が「◯◯の笑顔は本当に素敵だね」と言われていたため。
どちらも、もう覚えていないけれど。
きらきらの全身には、頭から足先まで傷のないところはない。それを賞金稼ぎたちは「醜い」という。
好きな理由も思い出せない花を身につけるのは、彼女にとって花のようにかわいいと言われた記憶の残滓。
きらきらは三姉妹と行動しているわけでなく、彼女が慕うマフィアグループのリーダーと共に暮らしている。
肉は戦闘時の血肉を思い出してしまうので、食べ物としては嫌い。果物と野菜が好き。特に好きなのはりんご、もも、みかん。
『きらきら』の両親
きらきらの父親は名のある刀士だった。
父親はきらきらにも妻にも優しかった。よくきらきらの本当の名前を呼んでくれて、愛してくれた。きらきらが扱う刀と、ある程度の戦闘技術も父から教わった。
よく花畑に妻子を連れてきては穏やかで幸せな日々を過ごしていた。
彼はずっと家族と暮らす日々を望んだが、人並外れた強さゆえに世界を救うことを求められ、家族が逆恨みされぬよう望まれるまま旅に出て命を落とした。
愛する人を失い、無責任に夫を英雄視して悲しむことも許されず、幼い子の子育てに疲れた母はきらきらに虐待行為をし始め、それはどんどんエスカレートしていった。
優しく愛してくれた父親と、同じように愛してくれた母親。
二人の記憶がきらきらから薄れていった結果、母は夫の遺した刀を手にした娘に斬られた。
死の間際、母は愛した夫の姿を見た。それが走馬灯なのか、あちらの世界でまた共に暮らせたのかはわからない。
末妹『おはなちゃん』
彼女には名前がなかった。親に売られ、ひどい扱いを受けてはまた売られ続けた。
戯れに仕込まれた暗殺術を使い、おなかがすいたら食べ物を売っている人を仕留めてあげて、ごはんを食べた。
幼いながらに賞金がかかり、彼女より強い賞金稼ぎに敗北しそうなところをゴミクズに救われて姉妹になった。
なぜかゴミクズは誰かを仕留めなくても褒めてくれるし、喜んでもらうために仕留めようとしても阻止されて、ゴミクズときらきらは仕留めようとしちゃダメと言われるので理由がわからないまま素直に従っている。
誰かに名前で呼ばれた記憶はなく、『ゴミクズ』が「『きらきら』ちゃんの好きな花みたいに、私たちにあたたかさをくれる」と名付けた。
実年齢、発育、知識の全てにおいて幼く、読み書きやスプーン、フォーク、箸もうまく使えないため手掴みや、直接口をつけて食事をする。一応、都度『ゴミクズ』が使い方を教えてあげている。
『おはなちゃん』の両親
おはなちゃんの両親にとって、娘や息子は商品だ。両親から名前をつけられることはなく、転売を繰り返され売主によって毎回違う名前をつけられた。
彼女はずば抜けた記憶力を持ち、今までつけられた名前も全て覚えている。しかしそれゆえに、どれが自分の名前なのか、どれも自分の名前なのかわからずにいる。
ある買い主が、たわむれに彼女へ暗殺術を仕込んだ。
彼女はそれを記憶し習得。さらに買い主が暗殺術で指定した相手を仕留めると褒めてくれたことで、もっと褒めてもらいたい彼女は買い主や今まで自分を売ってくれた者や買った者を訪ねて回った。
多くの人を訪ねたが、なぜか誰も褒めてはくれず、最後に両親のところに戻ってきてしまった。
両親は彼女が自分たちの商品だとは気が付かなかったが、彼女の返り血に染まった姿を見て悲鳴を上げた。両親に褒めてもらいたかった彼女は、きちんと仕留めてあげたが、両親はすぐに動かなくなり褒めてはくれなかった。
弟たちと彼女は互いが姉弟だと気が付かずにいたが、弟たちは邪悪な両親がいなくなったことに感謝して彼女にお菓子をくれた。それは弟たちにとって、どんな宝物より大切で貴重な物だったはずだ。
彼女は弟たちにも褒めてもらえることをしたらいいのか迷ったが、すでに喜んでくれているし、仕留める対象はいつも大人だったので子供を仕留めても喜ばれるのかわからないのでお礼を言ってその場を去った。
彼女は知らないことだが、弟たちはその後『ブラザー』たちに保護されている。
三姉妹と関わる者
『ブラザー』(ブラザー&シスター)
両親から迫害を受けた子供を救う旅をしているシスターと神父。立場はシスターが上。
シスターの「シスターだと女性を指す言葉で、性別を限定するのは違和感を覚える」という主張から、じゃあ一般的に多く言われるシスターに対抗してブラザーとしよう、とコンビ名が決まった。
世界各地に支部を持ち、旅先で被害を受けた子を見つけては施設で保護している。施設でまた子供達が傷つくことのないよう、施設職員には教育を施した上で不定期なチェックが入り、チェックする側とされる側での力関係が傾かないようなシステムを随時導入、改善し続けている。
愛亡き三姉妹と遭遇した際には手を差し伸べ、三姉妹は拒絶こそしなかったものの施設入りは拒否。
ブラザーは無理強いできないとしながらも、生きるために飲食物の窃盗を繰り返しその日暮らしをする三姉妹を案じている。
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