
疑問:大久保新平は本当に死刑に値するのか?
彼が確実にやったこと
飲酒し、恋人の指の骨を折った過去がある
アルツハイマー老人の死体遺棄(アルツハイマー老人の殺害は推定無罪)
補足:恋人の指を折ってしまってからは、ずっと禁酒していた
死刑判決が出た事件
本件の要素(寺沢絵美事件):
- 被害者:1名(恋人の寺沢絵美さん)
- 態様:14回刺殺(強固な殺意・残酷性あり)
- 関連罪名:現住建造物等放火罪(自宅への放火)、強盗目的はなし(感情的もつれ・怨恨)
- 前科・前歴:DV(傷害)あり。殺人罪の前科はゼロ(前回の老人事件は確定無罪)。
大久保新平からはアルコール反応が出ている。本人は無罪を主張。
死刑は不当である
犯人が大久保新平でも、死刑は過剰
「無罪判決だった殺人事件も犯人は大久保」という判断を含めた可能性がある。
倫理や感情はともかく、彼の罪は過去のDVと、老人の死体遺棄、そして今回の恋人1人の殺人のみ。
14回刺し放火という凶悪さは、倫理や感情的には死刑が妥当では?と感じるところだが、被害者一名では無期懲役と判断されるのが妥当とされるライン。
推定無罪と二重処罰の禁止
憲法や刑訴法では、推定無罪と二重処罰の禁止がある。
作中でも言われている通り、「弁護士の仕事は、検察が容疑者が間違いなく犯人であると証明できたのか」を問う仕事。真犯人がいる可能性や、容疑者で間違いないと言えない状態では、どんなに怪しくても罰してはならない。
これが『疑わしきは罰せず』『十の罪を見逃すことになっても、一の冤罪を生み出してはならない』という大原則。
アルツハイマー老人殺人事件において、真犯人は見つからずに大久保くんは死体遺棄をしていて極めて怪しい。しかし、「無実ではないかもしれないが、無罪になった」。検察が彼の犯行を証明できなかったので、この事件で大久保くんが裁かれることはもうない。よほど重大な証拠が新たに出てこない限り、同じ事件で容疑者を再び裁判にかけてはならない。これも大原則。
憲法・刑訴法の大原則に違反している可能性
八神(キムタク)が世間からバッシングされ弁護士から離れた通り、世間では「殺人鬼を無罪にして世に放った」という風評が蔓延した。
裁判員や裁判官たちも「二度目の殺人に、再び無実を主張。こいつ、反省してない」と考えた……この疑いが事実なら、死刑は妥当だろう。しかし、前回の殺人容疑は無罪。絶対にこれを判断に含めてはいけない。
今回は真犯人だったとしても殺人に限っては、大久保新平は初犯。犠牲者は二人目ではなく一人。反省していないも何も、前回は無罪なので、彼が反省すべきはDVと死体遺棄のみであり、彼は殺人鬼ではないのだ。
それも含めて、ジャッジアイズのテーマが重い
ジャッジアイズと続編のロストジャッジメント。どちらも法律や司法が完璧とは言えなかったり、何が正義なのか、人が真実を見抜くことが難しいという重いテーマがある。
この「無罪となった事件を判断基準に死刑判決が出た可能性」という歪みは、現実でも起こりうる恐怖だ。
もし裁判で無期懲役になったとしても、我々一般人の中からは「前回の犯人もこいつだったんだろう、死刑にすべきだ」という声が上がることが想像に難くない。前回の殺人の罪を逃れたということが事実の前提であるかのように、SNSで喚く人がいて、それに10万いいねがつくことはほぼ間違いないだろう。
厳罰にすればいいってものではない
倫理や感情を完全に無視することには大反対だが、感情をあまりに参照すると、司法は崩壊する。
個人的に、一人を殺したら死刑でいいだろうと考えたとしても、「一人やってしまった。死刑だから絶対に出頭せず全力で逃げるし、二人やっても三人やっても同じだ」という犯行の凶悪さが増すことも考えれば、無闇な厳罰化が社会的悪手だとわかるだろう。
そもそも、この事件は大久保が「俺は殺してない!でも、DV前科がある俺は絶対に疑われる。隠さなきゃ……!」と死体遺棄をしたせいで、真犯人が疑われなくなり、その後の両目をえぐられた死体が続出する事件にまで繋がってしまった。極論、殺人罪が軽ければ大久保は冤罪を恐れず正直に死体発見を報告できただろう。
罪に対する重い罰は必要だが、罪が重いと「罪を重ねてでも全力で逃げ切る」という社会的不安が生まれる。
万引きや痴漢は腕を斬り落とす、という過激な意見も見られるが、これが実現すれば万引き犯や痴漢は、人々を殺傷してでも逃げようとするだろう。件数は減るかもしれないが、犯行内容は凶悪化する。罪が軽ければ犯行や再犯が起きるし、重ければむしろ犯行内容が凶悪化するし、犯人はより全力で逃げようとする。これは我々が生きる社会の、大きすぎるジレンマだ。
最後に
ジャッジアイズ、ロストジャッジメントは本当に「法律はそうだけど、それは正しいのか?」という疑問を呈してくる。
本当にアルツハイマーの薬が完成していれば、1万人を殺しても「必要な犠牲だった」と言う人が相当出たと思う。今、アルツハイマーの家族を介護している人も、自分と関係のない1万人の犠牲でアルツハイマー特効薬が完成するなら、すぐにやってくれと思う人がたくさんいるかもしれない。
しかし八神は一貫して「だからといって無辜(むこ)の犠牲を見過ごして言い訳がねぇだろ」という軸をブレさせない。そこが魅力なのだ。「何が正義なのか?」。ジャッジアイズシリーズが突きつける、とても重いテーマだ
無辜(むこ)
なんの罪もないこと
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ジャッジアイズとロストジャッジメントを両方プレイする場合、ジャッジアイズから始めるのがおすすめ。
ロストジャッジメントのほうが操作感が良いので、ストーリー・プレイ体験ともに、ジャッジアイズ→ロストジャッジメントのほうが楽しみやすい。

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